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アサヒビール大山崎山荘美術館は、今のところ、京都で、一番のお気に入りの美術館です。
毎回、ほんとうにいい企画ばかりで、喫茶室も気持ちがいいんです。
実は、この美術館のそばに引っ越そうかとも、思っています。

最寄り駅は、京都と大阪のちょうど境、かつての別荘地で、サントリー山崎蒸留所もあります。

この日は、関西に転勤で来たばかりの友人と、彼女のお子さんと一緒に、実際に座って、体ごと使い観賞できる「かんさいいすなう」展に、行きました。小さな子供と行って、大正解の展覧会でした。

大人だけで行ったら、こんなに椅子に座り倒して、椅子を堪能する経験は、しなかったと思うのです。
小さな子供のペースにあわせて、同じところを行ったり来たりしたので、美術館での経験が、立体的で濃密で、いつになくプレシャスな時間になりました。

子供の気に入るところは、居心地のいいところです。
一番居心地のいい空間も、一番居心地のいい椅子も、彼女が離れなかったところに、ありました。
側で、わたしも、これでもかというくらい、座って堪能して、椅子とたっぷり会話しました。

思えば、ちゃんと椅子と会話しようとするのは、椅子を買う時くらいでした。
しかも、椅子を買うのが、苦手でした。お値段も張るので、買う時は、真剣勝負、たっぷり会話するというより、批判的(浅い会話)だった自分に、その日、ありありと、気づけたのでした。
だからこそ、椅子を買うのが、苦手だったんですね、わたしは。

椅子とふかく対話し、「生き物(木)が、他の生き物(わたし)を、文字通り、体を張って、支えてくれている」ことを、ありありと、体感しました。一番気に入った椅子は、背もたれがなく、お尻の形に合うよう彫ってあるわけでも、クッションが張ってあるわけでも、ありませんでした。

ところが、その椅子に座ると、体が安心するんです。
根が生えたかのように、立ち上がりたくなくなってしまうんです。
軽くしならせてあるだけの、椅子に、初めての感覚を、プレゼントしてもらいました。
この感覚は、体に、残りました。一生覚えているでしょう。

こちらに写真がある「オーム貝のベンチ」は、二番目に気に入った椅子です。
表面を細かく彫ってあるので、肌さわりも良く、ソファー感覚で寝そべったり、ちょっと机になったり、椅子になったり、ヨガマット感覚で、上で、瞑想できたり、椅子だけど「自分の空間」を楽しめるんです。家にあったら、わたしの発信/アウトプットが、変わりそうだと、思いました。

観光で京都にいらした方にも、とってもおすすめの美術館です。