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おはようございます、吉野実岐子です。

「パリの日常 WILLY RONIS展」をみるため、今月いっぱい祇園祭ということもあって、賑やかな祇園に、お出かけしてきました。祇園は何年ぶりでしょうか。

ウィリー・ロニスは、アンリ・カルティエ=ブレッソンやロベール・ドアノーと共に、フランス写真界の一時代を築き上げた写真家だそうですが、存じ上げませんでした。

よく知らぬまま見た、ウィリー・ロニスの写真は、ジャガイモのポタージュスープのようなやさしさが染み渡ってくる、誠実な人が撮る写真でした。

2009年にその生涯を閉じた方ですが、写真展に寄せられた本人の言葉に、以下がありました。

「私のイメージは総じてあらかじめ決められたプロジェクトや人生計画もなく、日々の連続で作られてきました。私の写真家としてのプロ入りは、私の意志や一存ではなく、神の思召しでもなく決定づけられました。しかしそれは、すぐに私の情熱を駆り立てるものとなりました。
写真によって、私の存在を長く支えられてきたことと、写真が感動することを止めさせなかったことは大変幸せなことです。」

これを読んだ時に、なぜこうも彼の撮る写真が、病後の食事のようなやさしさを称えているのか、そこに少し触れられた気がしました。

「ヴァカンスの朝食 Petit dejener de vacanves」(1946年)という作品が一番好きでした。

ちなみに、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真は、焦がしたカラメルのようで、形はしっかりしているものの、鋭角的で緊張感がたかく、わたしはあまり好きではありません。

ロベール・ドアノーの写真は、野菜の形がのこるポトフのようで、口の中でとろけながらも歯の感触もたのしめる、何層にも分かれた楽しみに、ドキドキ・ワクワク・キュンキュン・ホッとして、大好きです。絶版になっている写真集も持っています。

総じて、フランスのものは写真に限らず、形の美しさは、ほんとうに私好みです。

開催場所である、何必館がまた美術館にありがちな、「頭で考えた」デザインゆえの内臓をぶった切られる感じの変な緊張感がない、素敵な建物なのです。「パリの日常WILLYRONIS展」は、7月26日まで。よかったらお運びください。