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私たちは一日に100億もの角質細胞(計1.5g)を失い、年間では500gの角質を失うそうです。おはようございます。吉野実岐子です。

本を書いたり、パネルディスカッションで発言したりといった、ある程度公の場で発信する際は、届けたい対象を明確に設定しておくことが大切です。そう表すと「あぁ、マーケティングでしょ。もちろんちゃんとやってますよ」と返す方がいらっしゃるのですが、違います。

「この本は30代までの女性に向けて書くから、彼らが小学生の時に流行ったこの名前を入れると、とっつきやすいでしょう」「こんな悩みを抱える人が多い世代だから、こういう例を入れると響くでしょう」といったマーケティングの発想は、表面的なものです。そこには、操作の意図もチラチラ入ってきます。売ってやるという思いが、みしみし音を立てて、地面から盛り上がってくる感じさえします。

そうではなく、わたしがお伝えしようとしている対象の設定とは、言い換えるなら、きちんと限界を知っておくということです。例えば、マンションの2階から1階に向けて叫んだら、きっと声は届くでしょう。では、マンションの2階から最寄り駅に向かって叫んだら、声は届くでしょうか?マンションの目の前が駅なら届くでしょうが、駅まで徒歩10分なら、まず届かないと判断しませんか?それと全く同じことなのです。

SNS流行りもあって、書いたり発言したことに、何らかの反応が返ってきやすい時代です。本を全く読まずに、コメントを書く人がいたり、イライラをぶつけたくてそれを吐き出す場を探しているだけの人も、中にはいらっしゃるかもしれません。そういうときに「なんでこの人はここにこう書く必要があったのか?」と、発想するなら、対象が設定されていなかったということになります。「あの人には届かないだろう」と「差別」して「決めつける」のではなくて、札幌から東京に向かって叫んで、声が届かないのは当たり前だと「区別」しましょうという話です。

上に例で挙げたように、届かないものは届かないのです。届いていない相手からの反応に、届いていない相手の頭の中を想像しようとするのは、届かないものは届かないという限界を、あなたが理解していないことが伺えます。どこまでなら、確実に届いて、どこからどこまではその日の風向きによって届くこともあるのか、その判断をきちんとして、事前に対象を設定するようにしましょう。