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ひょんなことから、あの結婚式で有名な「高砂や」をプロが丸ごとうたう機会に居合わせ、20代には能楽堂で舟をこいだ私でも、今回はぞくぞくしました。

聞く前に以下を拝見し「住之江」を、疑いもせず「住吉大社でしょ」と思った自分に、驚きました。この辺りが、関西に住んでよかった点の一つです。東京に住んでいた時は、身近にないため、自分の中で辞書をひくように「どこどこにある、あそこね」と、データを整理するような作業が脳内で発生していました。「住之江」とみても瞬時には「どこかの海辺」としか、思えなかったろうと思います。

「高砂や(待謡)

この浦船に 帆を上げて
この浦船に帆を上げて

月もろともに 出汐の
波の淡路の 島影や
遠く鳴尾の沖過ぎて 

はや住之江に 着きにけり
はや住之江に着きにけり」

途中まで「ワレワレハ ウチュウジンデアル」とふざけていう時と、同じような調子で続いてきます。それでも、一音一音はデータとしては聞こえず、一つ一つがずしっと響いてくるのです。「遠く鳴尾の沖過ぎて」から、急に節がついて、一気に風景がびよーんと伸びるような、船が方角を変えるような「いよいよだ」と思うような雰囲気になって、最後の「はや住之江に着きにけり」は、ただただ美しい音楽に聞こえました。

新年は新しい音楽と続々出会うことから始まっているのですが、時々さらりと触れては、すっと距離をとっていた日本の古来からの音楽に、もっと深く触れそうで、楽しみな今年です。みなさんが、今年楽しみにしている、楽しい予感がすることは何でしょう?