柔軟さを育てる

大人の発達障害が増えています。特に、ASD(自閉症スペクトラム障害)は、その詳細を問わずコンサルタントに多く見られます。ASDの脳は「見通しが持てれば、不安が消える」「人の言葉を真に受け、暗黙の了解や相手の意図に沿った文脈や言外に示されていることは、受け取れない」「愛情がある人を信頼するのではなく、自分の予想通りに動いてくれる人を信頼する」といった、特徴を持ちます。

子供の場合なら、自律スキルやソーシャルスキルをトレーニングしながら、定期的に精神科医や臨床心理士と会っていくことで「臨機応変な人間関係は苦手だけれど、協調しようという気持ちはある」といった状態まで生んでいける、つまり診断名が消えていくような状態にまで持っていけることが、わかっています。

しかし「いい親として認められたい」自己愛の強い親だと、「あなたのお子さんは発達障害かもしれない」と言われて、責められたように感じるという、おかしな反応をしたりします。そして、子供が柔軟に社会生活を送っていける機会を、奪ってしまうのです。

また、ASDでなくとも、自律スキルやソーシャルスキルに欠けた大人は大勢います。自律スキルは、できないことを無理しないという危機管理能力を含みますし、またできることを意欲的にこなしていくというサボらない姿勢も含んでいます。ソーシャルスキルは、最低限のルールを守る他に、できないと思ったら他者に同調してなんとなく乗り切るのではなく、誰かに相談できる力を含んでいます。つまり、自律スキルとソーシャルスキルは「どんなに失敗しても折れずに、試行錯誤を続けられる」という心の柔軟性を生んでいくものなのです。

そこに注目すると「わたしは発達障害じゃないから」「うちの子は発達障害なんかじゃない」というジャッジやこだわりからは得られない、豊かな世界があなたが発達障害であれそうでないのであれ、あなたを潤してくれるでしょう。