初めてのアフリカ文学

時々、中南米やアフリカなど、行ったことのない地の文化に、矢印がくぃっとむきます。

今回、わたしにとって、クレオールでないアフリカ文学としては初めてかもしれない、ナイジェリアの作家の本を読みました。

災厄の多いエリアは、あやまった理が良かれという思いのもと、せっせと継承されていることが多いのですが、この小説では勇気の履き違えの形で、その幾つかをあらわすことで、正しい理が浮き彫りになるように、描かれていました。

いわば、暗黙の了解として合法化された家族の誰かによる殺人も、無意識レベルで共有されてしまうという真実は、以下のようにあらわされています。

「夜にひとりで歩いていて、道すがら悪霊とすれ違ったときのように、漠然とした恐怖が襲いかかり、頭が膨れ上がる感じがした。その瞬間、心の中でなにかが壊れてしまった。」(『崩れゆく絆』アチェベ著、光文社古典新訳文庫、p103)

また、呪術のような広義での宗教に拠ってきたからこそ、新しい宗教に足元を掬われる様子も描かれています。現代においては、芸能の形で同じようなことが起きていきますよね。より異文化にフォーカスしてこの本を読むなら、男型の罪/女型の罪という考え方などは、面白くも映るのでしょうか?いずれにせよあまりに違い過ぎて、全く共感できないところが「わざわざ読んだかいがあって」良かったです。

全く共感できない者同士がたくさん住んでいるこの星で、平和を願うのならば、安易に類似点を探して目を曇らせるのではなく、あまりにも違い過ぎることをちゃんと経験していくことが、要になると思うからです。