聖なるひととき

みなさんに家庭があってお子さんもいるなら、朝早く起きて、お弁当や朝ごはんを作ったりしているかもしれません。

そうしながら飲んでいるコーヒーは、コーヒーの生産者たちが、朝霧にまみれてコーヒーをつむ前のそれと、同じ感覚をもたらすものかもしれません。孤独に見えて、世界の裏側とシンクロする聖なる時間に、わたしは守られているんです。だから、朝のこの時間を、あなたは誰にも渡したくないんです。

夜が明けてリビングが光で満たされる頃、「起きて〜!」と大声で叫びながら、シンクの掃除をしていると、いつものように排水溝に水が吸い込まれて、ゴォッという音が聞こえてきます。

生ゴミも一緒に粉砕してくれるズボボーッという音と共に、得体の知れない嫌な気分がきれいに消えていきます。その音も目覚ましになって、みんなが起きてきます。

私はこの後のお皿洗いが少し楽しみになって、排水溝を見つめながら、深い安らかな表情になっているんです。青ざめやつれるようだったあの音が、いつの間にか、私の勇気に変わっていくんです。