「簡単だよ」は逆効果

がんばっていることが、むしろ逆効果になるお話を書きましたが、他にも「それ、逆効果!」ということがあります。

非常によくあるのが「とっても簡単だよ」という言葉です。言っている側は「ハードルを下げよう」としていて、むしろ相手をその世界に招待する気持ちで、相手に手を伸ばしている感覚なのです。しかし、言われている側は「自分がまだできない(単にまだやったことがないのも含む)ことを、できる人から”とっても簡単だよ”」と言われると、むしろハードルが上がって、プレッシャーに感じてしまうのです。そもそもやったことがないし、やろうとも思っていないことについて、勝手にプレゼンされて「とっても簡単だよ」と言われた日には「そもそもやろうとも思っていなかったけれど、これではっきり”やりたくない”と決心できました」と、なってしまうくらいです。

相手が欲してないものをプレゼンするのは論外だとして、相手が「ちょっとやってみたいな。ドキドキ…」くらいだったら「とっても簡単だよ」という代わりに、事実を数字ベースでお伝えするのが、狙い通りの効果を生みやすいでしょう。例えば、「調理時間は、全部で10分だよ」や「使ったら、お湯で洗ってキッチンに干しておけば、8時間経つと乾いているよ」という感じです。あとは、言われた側が「それなら簡単だ」や「それでもちょっと難しい」などと、判断するでしょう。

「とっても簡単だよ」っていう懐柔する言葉は、見ていると、支配欲の強い人がマウンティング目的で良く使う言葉でもあります。やたら連呼してくる人には、自分の中でアラームを鳴らしておくと、やったこともないことにうんざりするという不思議な損ではなく、遠ざけるべきを遠ざけられるという嬉しい結果を、手にできるでしょう。